ネギトロを自然に保水するコストダウンレシピ
お寿司は日本の伝統的なメニューの1つですが、回転寿司チェーンの展開もあって、日常的に手軽に食べられる人気メニューとなりました。
その人気は国内に留まらず、海外においてもその需要は増えつつあるため、水産資源の確保が難しくなってきています。
加えて、気候変動や乱獲による漁獲量の減少、人件費や輸送コスト上昇なども起因して、水産原料への価格転嫁を避けられない事態となっており、寿司ネタ等の水産加工品も値上げをせざるを得ない状況です。そんな状況下であっても、末端ユーザーは価格維持を希望しており、コストダウンは大きな課題となっています。
本記事では、寿司ネタの中でも人気のマグロ加工品であるネギトロを一例として、品質を維持しつつコストダウンに繋がるご提案をさせていただきたいと思います。
食品開発者のよくある悩み
- 水産原料価格が値上がりし、末端コストを維持しつつ製品化するのは難しい。
- コストダウンをしたいが、何を使用したらいいか分からない。
- 加水すると水っぽくなり、盛り付け適正や品質が悪くなる。
- 風味に影響が出てしまう添加物はなるべく使用したくない。
- 製造時の負荷になる素材は使いたくない(ダマができる、溶かすのが大変)。
保水による保形性向上と離水防止
軍艦に使用されるマグロやかにみそ、タラコなどは原料価格が高く、コストダウンをするには加水をするケースがありますが、寿司ネタ自身の保水量には限界があるため保形性は悪くなります。盛り付けなどの作業性を維持するためには、保形性が重要となります。
pH調整剤などの添加物を使用し、マグロ肉そのものの保水力を上げて、保水させることも可能ですが、味への影響やメト化が早く生じる可能性があります。また増粘剤やα化でん粉などの保水材を添加して保水する方法もありますが、テクスチャーへの影響や、ダマができるといった製造時のハンドリングに影響が生じる可能性もあります。
加えて、寿司ネタの場合、酢飯と接触するため、経時的に寿司ネタから酢飯への水分移行が生じます。酢飯や寿司ネタの品質を保つためには、寿司ネタ自身からの離水防止措置を講ずる必要があります。
J-オイルミルズからのご提案
当社の「クレムス®HU‐1」は、冷水でそれ自身が吸水・保水する素材であるため、加水によるコストダウンが可能となります。「クレムス®HU‐1」はでん粉素材であるため、風味や食感、色調への影響も少なく、寿司ネタへの応用も可能です。また、従来のα化でん粉や増粘剤とは異なり、直に水に添加してもダマ(継子・ままこ)にならないため、作業性の観点からも優れた素材です。
資料のダウンロード
食品開発者の方へ向けて、より詳しいアプリケーション資料を作成しました。ネギトロに限らず、多くの軍艦ネタ(※水産加工品)やそのフィリングにも応用可能な課題解決資料となっていますので是非ご覧ください。