おでん具材の煮込み耐性を上げ、食品ロスを軽減したい

寒い季節の定番と言えばおでん。シンプルかつ出汁の染みた深いあじわいで多くの人々に愛されています。コンビニエンスストアでも手軽に購入できるようになり、より身近になったおでんですが、その一方で、廃棄量が多く、販売を取りやめるといったケースも多くなっています。業界全体で食品ロス(本来食べられるのに捨てられてしまう食品)の多さが問題視され、食品ロス削減の動きが進む中、廃棄時間を延長する、また時間が経っても美味しさと品質を保つ解決策が求められています。

加えて単価が安い揚げ蒲鉾や竹輪など、すり身が主原料のおでん具材では、コスト対策も大きな課題となります。

ここ数年のすり身原料の価格高騰*や、エネルギーコスト上昇により、原価も大幅に上昇していると予想され、すり身配合を低減するといった施策を検討された方も多かったのではないでしょうか。

2005年以降のすり身平均価格推移

*(財務省「貿易統計」2014~2023年のデータをもとに弊社作成 税関 Japan Customs)

こうした背景から、今回は揚げ蒲鉾や竹輪などのすり身を使用したおでん具材のコストダウンを図りつつ、煮込み耐性を付与し、廃棄時間の延長、食品ロス削減といった課題を解決する方法をご紹介したいと思います。

食品開発者のよくある悩み

  • おでん商品の食品ロス削減が喫緊の課題となっている。

  • おでん具材の廃棄時間延長のニーズに対応したい。

  • 長時間煮込んでも硬さを維持し、煮溶けし難い具材を作りたい。

  • すり身の配合を低減すると柔らかくなり過ぎてしまい、形が崩れやすくなる。

  • でん粉を配合しているが、理想的な食感や硬さを保てない。

すり身製品に適したでん粉

揚げ蒲鉾や竹輪などのおでん具材には、副材として“でん粉”がよく使用されます。保水性に優れたでん粉は、適度な弾力と滑らかさを保ち、しっかりとした食感となりますが、すり身を低減し、でん粉を多く配合すると、蒲鉾のいわゆる、“足”(弾力)が失われてしまいます。

でん粉は基原原料と加工方法により、多くのバリエーションが存在しますが、すり身製品と相性の良いでん粉を選択することが重要となります。

特におでんのように長時間煮込まれる料理では、すり身とでん粉で形成される骨格が弱いと、出汁などが水分移行により徐々に具材に染み込み、煮溶けて形が崩れやすくなります。煮込み耐性を付与するためには、一般的なでん粉よりもすり身との馴染みが良く、すり身を低減しても硬さや弾力を付与する必要があります。

J-オイルミルズからのご提案

当社が提供する食肉加工品用品質改良剤「アクトボディー®KT-10」をお試しください。

アクトボディー®KT-10は、加熱により適度に糊化し、弾力のある澱粉粒となることで、通常のでん粉より硬くしなやかな食感を形成します。すり身との馴染みも良く、タンパク質組織内に澱粉粒が均一分散することで、クッション性を高め、すり身を低減しても硬さや弾力を維持することができます。

すり身低減による硬さや弾力の低下や、長時間煮込むことによる煮溶け、煮崩れ防止におすすめの素材となっております。

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食品開発者の方へ向けて、より詳しい解説資料とアクトボディー®KT-10を使用したおでんの具の煮込み耐性を検証しております。詳細が気になる方は是非ご覧ください。