冷めても”のびーる”チーズソース・フィリング

チーズは、料理の中で幅広く使用され、美味しさに欠かせないアイテムの1つです。その豊富な種類と風味のバリエーションによって、独特のテクスチャーや風味を付与することができます。ピザのトッピング、パスタソース、サンドウィッチの具材、更にはチーズプレートやチーズフォンデュなど、様々な料理や食シーンで愛されています。

加工食品においてもチーズは、商品メニューを増やす上で、最初の選択肢として挙げられます。エンドユーザーにとっても購買意欲を掻き立てられる人気の商品メニューであるために、チーズを使用した商品開発シーンは多いのではないでしょうか。

 

一方で日本国内において使用されるチーズ原料の87%は輸入に依存*しており、近年の国際情勢や為替の影響、エネルギーや物流コスト増などが起因し、2022年から輸入チーズ原料価格が急騰しています。チーズを使用したくても使用できないケースもあり、メーカーの商品開発の皆様にとっては頭を悩ませる要因かと思います。

こうした背景を踏まえて、本記事ではチーズ含量を低減させたチーズフードや乳等を主原料とする食品規格のチーズソース(フィリング)にフォーカスしました。

*(財務省「貿易統計」および農水省「チーズの需給表」令和3年度データをもとに弊社作成 税関 Japan Customs チーズの需給表:農林水産省 (maff.go.jp)

 

 

国内で流通するチーズの生産地及びシェア

国内で流通するチーズの生産地及びシェア

輸入チーズの価格推移

輸入チーズの価格推移

食品開発者のよくある悩み

  • 輸入チーズ価格が高騰しているため、チーズを使用したくても使用できない。
  • 冷めるとチーズが伸びない。
  • コストダウンのためにチーズ配合量を減らしたが、チーズが伸びなくなってしまった。
  • 加工でん粉を使用してチーズ様のテクスチャーを再現したいが、何を選択したらいいかわからない。
  • チーズ独特の曳糸性を演出できない。

チーズソースに適したでん粉の選択

コストダウンなどのためにチーズ原料配合量を減らすと、加熱時のロングな伸展性が出にくくなります。多くのチーズソースは冷蔵流通であることから、でん粉の老化を考慮すると加工でん粉であることが必須となります。こうした観点からヒドロキシプロピルデンプンが一般的には使用されますが、粘性が高く、製造時の充填作業性が悪くなるなどの課題もあります。

チーズソースの製造設計には、チーズ配合量と加工でん粉のバランスが要(かなめ)となるのです。

温度に依存しない安定した進展性と、独特の曳糸性を叶える

加熱したチーズの独特な糸曳性は、チーズの特徴であり見た目にも購買意欲を掻き立てる重要なポイントですが、なかなか通常の加工でん粉では再現できないのが課題です。加えて加熱した状態と冷ました状態を比べると、しなやかな進展性やチーズ独特の糸曳きが保ちにくく、不自然な食感が目立ってしまう場合も多くあります。

広い温度帯でチーズ様のロングな進展性、独特の曳糸性を保持できるでん粉を選ぶことで、コストダウンや安定品質を考慮したチーズ様のテクスチャーを再現できます。

J-オイルミルズからのご提案

弊社ではチーズソース向けに「エクステン®シリーズ」をご提案しております。

エクステン®シリーズ」は、馬鈴薯でん粉ベースに加熱・せん断処理したα化でん粉を主体とした製品シリーズです。チーズ様の伸展性や曳糸性を付与できます。

チーズソース製造時に使用される製造機器によってラインナップを揃えており、一般的なニーダーを使用されるケースは、「エクステン®CM-600」、ステファンミキサーなどの乳化機を使用するケースは、「エクステン®CM PLUS」を推奨させていただいております。チーズ様のテクスチャーを付与でき、温度に依存することなく安定的な伸展性と曳糸性を発現します。

エクステンを使用したチーズソース:25℃の状態

エクステンを使用したチーズソース:25℃の状態

資料のダウンロード

食品開発者の方へ向けて、より詳しいアプリケーション資料を作成しました。

エクステン®CM PLUS」を使用したチーズソース(乳等を主原料とする食品)を例に、従来の加工でん粉や増粘多糖類を併用した加工でん粉製剤と比較しながら、その機能や効果をご紹介しております。詳細が気になる方は是非ご覧ください。